私のバンディング問題

1.はじめに
 昨年11月よりバンディング問題にかかわり、3文書を公開してきました。私なりに、いろいろな経験をする事になりました。私なりに、現在までのバンディング問題を簡単に総括してみます。
 今回、バンディング問題の二番目の文書「山階鳥類研究所に期待すること」を部分的に削除することにしました。
  表現が余りにも感情的であること。今回の和田さんの質問に対する、山階鳥類研究所の回答を評価して、今後の動きを見たいと思ったためです。
 自助努力をされている横で…逆撫でするような意見を掲げるのも、嫌ですし。


2.私のバンディング問題のスタート
 まず、何故バンディングに関心を持ったか」を以下説明します。
 最初は和田さんのホームページでバンディング問題を知りました。その時はそんなこともあるのかという感じです。
 ところが、カワウとシギの回収、特に足を腫らしたトウネンを見たときに、「これは何?」という疑問を持ちました。これが始まりです。
 山階鳥類研究所に回収報告をしたときに、「この足の腫れはフラッグが原因でないの?」というメールを打ちました。この時は、残念ながら返事がありませんでした。
 
こんな時に、和田さんのページで2羽のカワセミの嘴をもってぶら下げている写真を見ました。 
 何か問題があると感じました。さしあたり自分のホームページで意見を述べてみて、何らかの反応があるだろうということで「バンディング問題について」をアップしました。


.ホームページへの反応
 なんと、予想外の反応がありました。面識もない・誰かも分からない方から、とてつもなく、受信に時間のかかる、嫌がらせメールが2通届きました。

「これはなんなんだろう?」「何故意見を述べただけなのに嫌がらせをされるのか
?」ただ単に、「あなたの考え方はおかしいよ」といえばいいのに。と考えると同時に、このことが、私の頭の中で「バンディング」が疑問から問題に変わりました。

 よく分からないけれども、佐藤さんの質問に対する、山階鳥類研究所の回答について、個人的な意見をまとめて公開し、様子をみてみようか?と思いました。

「山階鳥類研究所に期待すること」を作成し、ホームページにアップしました。この直後に ウイルス付きメール2通、ウイルス付き + 嫌がらせメールが2通、計4通のメールが来ました。

 バンディング問題を取り扱うと、このような嫌がらせに合うということがよく分かりました。
 山階鳥類研究所がこんな低レベルのことをするわけもなく、どこかの取り巻き連中がやっているのだなと認識しました。本当に、残念なことです。このことは、バンディング問題が抱えている深い淵があることを暗に示してくれました。

.私の目的
 私がバンディング問題を取り扱う目的は、山階鳥類研究所を批判する事ではなく、まずは、野鳥の犠牲を少なく出来ないか。バンディンクを中止できないか、ということです。
 叉、どうしても中止できないのであれば、最も犠牲の少ない方法で実施してもらいたいということです。
マニアルに基づいた正しい方法で実施するという管理体制を作ってもらいたいのです。
 野鳥の犠牲をより少なくすることが、何よりも重要な課題なのです。

 そうこうする内に、和田さんが山階鳥類研究所と話し合うことが決まり、回答待ちの状況になっていました。

.批判だけでなく提案も
 ただ批判しているだけでは、何も解決しません。バンディングの主要目的といわれているのは@野鳥の生態調査。A渡りの調査です。
「このバンディングが、本当に役だっているのか?。バンディングで分かるのは、一部の鳥のことだけではないのか」という疑問を、今でも持っています。
 渡りの調査については、一部ですが、大型の野鳥に衛星追跡を活用して、成果を挙げているケースが出てきています。という事で、1月中旬に山階鳥類研究所の山岸所長に、「バンディングより衛星追跡」をという個人的な意見を、メールにて提案させていただきました。

.予想外の回答

 この提案についての回答が、2月初旬にありました。「多分お返事はいただけないだろう」と思っていましたので、この返事は意外でした。私信ですので公開はできませんが、私が理解した範囲内で内容を説明させていただきます。

回答内容は、
1.「
衛星追跡については現在予算を貰っていない。今後検討してみる。」という事。
2.意外にも、足を腫らせたトウネンについての見解です。
足を腫らせたトウネンについては、私のホームページの「バンディング問題について」に乗せてあります。
 私がバンディング問題に、係わるきっかけとなったことです。
 
今回の提案で、この件について、質問をしておりません。気を利かせて回答してくれたのでしょうか?。
トウネンの負傷原因は、「フラッグが直接原因でなく、異物が挟まったか、テグス糸などにより関節を痛めた可能性もある。と予想される」と説明されています。

 この件の説明について、納得はしていません。しかし、予想される、負傷原因を説明した最後になお、3年前からはフラッグの長さを短くし、鳥への負担を少なくするような工夫をしていますが、今後ともさらに注意を払って行きたいと考えています。というコメントがありました。
 要は、このように、対策を考えている。今後も注意していく、と説明して頂けば、そのことを信じて待つのが、普通の対応です。

 バンディングについて、私は苦情は言えても、改善をしていく権限がありませんし、実行する方法も持っていません。あくまでも、山階鳥類研究所に対応していただくより、方法がないのです。

  (太字・下線は筆者)

.山階鳥類研究所について心配していること

 山階鳥類研究所について、基本的に心配していることは、野鳥を調査・保護していくために必要な資金・スタッフともに不足しているのでは、ということです。予算不足から無償ボランティアに頼らざるをえない。スタッフも増やせないと理解しております。文部科学省の特定奨励金・環境省の野生動物の保護予算関係がもっと増額される事、あるいは高額な委託事業を安定して受けることが、今後の日本の野鳥の調査・保護に役立つことだと思います。
 山階鳥類研究所が、自らそのような事が言えないは、十分承知していますが


感謝の言葉

 今回の、山階鳥類研究所の和田さんへの回答、私個人の提案についての返信とを合わせ検討した結果は、信頼して、お任せするのが一番良いという結論となりました。

 最後に、バンディングの問題を白日の下に晒していただいた、和田さん、中島さん、佐藤さんのご努力に感謝いたします。

 また、身を切るような嫌な問題に、真正面から対応された、山階鳥類研究所の山岸所長・尾崎標識研究室長の姿勢に、敬意を払わせていただきます。


2006年 2月15日 作成


             戻る                      次へ
          もう一つの標識調査             バンディング問題その後